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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻2号

2012年02月発行

今月の主題 改訂された胃生検Group分類の現状

主題

新旧分類でのGroup 2病変の内視鏡再検,追跡結果の検討

著者: 藤崎順子1 吉澤奈津子1 山本智理子2 加藤洋2 鈴木翔1 窪田学1 谷口智香1 大前雅実1 岡田和久1 松尾康正1 堀内裕介1 菅沼孝紀1 山本頼正1 平澤俊明1 石山晃世志1 土田知宏1 星野恵津夫1 五十嵐正広1

所属機関: 1がん研有明病院消化器内科 2がん研有明病院研究所病理部

ページ範囲:P.174 - P.185

文献概要

要旨 当院では以前よりGroup分類は用いておらず,病理診断名が記載されており,再生異型,癌かの鑑別が困難な症例はatypical epithelium(以下,AE)と診断されており,新分類Group 2に相当する.2009年1月から2010年12月までにAEと病理診断された82例について検討を行った.生検施行例に占める割合は0.4%(82/18,930)であった.経過観察とともに再生検が行われた症例は70例あり,うち19/70例(27%)が胃癌と診断された.9例は再生検は施行せず,NBI拡大内視鏡所見のみで胃癌と診断しESDが施行されたがうち3例に胃癌を認めなかった.最終診断胃癌であった症例は33例(40%)であった.32/33例(97%)が分化型癌であり,うち5/33例(15.1%)に超高分化型癌がみられた.1か月後に経過観察が行われ,19/40例(48%)が癌であった.3か月後に11/32例(34%),6か月後に3/16例(19%)が癌であった.新分類Group 2に相当する病変の約半数程度は癌であり,約半数が炎症であった.NBI拡大観察は38/82例(46%)に行われ,正診できた症例は23/38(61%)であり,粘膜深層にのみ明らかな癌がみられた症例など診断困難例もみられた.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,14版.金原出版,2010
3)加藤洋.消化管生検組織診断基準─新しい胃Group分類の運用法.JIM 20 : 588-600, 2010
4)Ezoe Y, Muto M, Horimatsu T, et al. Magnifying narrow-band imaging versus magnifying white-light imaging for the differential diagnosis of gastric small depressive lesions : a prospective study. Gastrointest Endosc 71 : 477-484, 2010
5)熊谷洋一,山崎繁,飯田道夫.上部消化管に対するendo-cytoscopy systemの現況.胃と腸 42 : 884-890, 2007
6)八木一芳,味岡洋一.胃の拡大内視鏡診断.医学書院,2010
7)九嶋亮治.胃癌の生検診断─生検でわかることわかるべきこと.病理と臨 29 : 960-967, 2011
8)大倉康男,中村恭一.低異型度管状腺癌の生検診断.胃と腸 45 : 1172-1181, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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