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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻2号

2012年02月発行

文献概要

今月の主題 改訂された胃生検Group分類の現状 主題症例

胃生検診断でGroup 3を繰り返し9年後に胃癌としてESDを行った1例

著者: 本多啓介1 村尾高久2 石井学2 松本啓史2 中津川善和2 木村佳起2 佐藤元紀2 垂水研一2 春間賢2 秋山隆3

所属機関: 1川崎医科大学総合診療科 2川崎医科大学消化管内科学 3川崎医科大学病理学

ページ範囲:P.234 - P.239

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要旨 患者は80歳代,男性.2001年1月に前庭部大彎に25mm大の隆起性病変が認められ,生検診断はGroup 3,腺腫で本人の希望により経過観察となった.経過中は形態的には大きな変化はみられず,生検診断でもGroup 3を繰り返したが,2009年の生検で初めてGroup 5,腺癌と診断された.高齢を理由に当初は経過観察を希望していたが,癌に対する不安感が徐々に強くなり,内視鏡的粘膜下層剝離術を施行した.一括切除が可能であり,最終の病理組織学的診断は,高分化管状腺癌,Stage IAであった.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,14版.金原出版,2010
2)長南明道,望月福治,池田卓,他.内視鏡による臨床経過観察からみた胃の腺腫.胃と腸 22 : 701-709, 1987
3)中村昌太郎,松本主之,石川剛,他.胃腺腫の長期経過─増大例及び癌化例の遡及的検討.胃と腸 38 : 1389-1400, 2003
4)村木洋介,藤城光弘,小田島慎也,他.Group III症例に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)の治療成績.新薬と臨 55 : 1296-1298, 2006
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6)近藤仁,斉藤大三,山口薫,他.胃良・悪性境界領域病変の臨床経過と治療方針の選択.胃と腸 29 : 197-204, 1994
7)布袋屋修,矢作直久,大塚隆文,他.胃─前癌病変の悪性度で内視鏡治療法は変わるか.消内視鏡 18 : 483-490, 2006
8)蓮池典秋,小田一郎,後藤田卓志,他.長期経過からみた胃腺腫の治療方針─経過観察を中心とする立場から.胃と腸 38 : 1419-1426, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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