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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻2号

2012年02月発行

文献概要

今月の主題 改訂された胃生検Group分類の現状 主題症例

生検でGroup IIのため経過観察され悪性サイクルを呈した0-IIc型早期胃癌の1例

著者: 丸山保彦1 甲田賢治2 景岡正信1 大畠昭彦1 池谷賢太郎1 森雅史1 志村輝幸1 宇於崎宏城1 蒔田鎮靖3 角嶋直美4 小野裕之4

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器科 2藤枝市立総合病院病理診断科 3藤枝市立総合病院放射線科 4静岡がんセンター内視鏡科

ページ範囲:P.240 - P.248

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要旨 内視鏡的に胃癌を疑いながらも生検で癌が証明されないことは内視鏡医の多くが経験し悩むところである.内視鏡的に悪性サイクルを繰り返した0-IIc型早期胃癌の症例を提示する.内視鏡的に悪性が疑われたが,生検では癌の診断に至るのに時間を要した.繰り返し生検を行ったが,Group IIとの診断にとどまった.診断的ESDの同意が得られず6回目の生検でGroup Vの診断に至りESDを行った.切除標本では粘膜固有層の中~下部で手つなぎ・横這い型の構造を示す中分化型腺癌であった.生検で粘膜深部の腫瘍腺管がとらえにくかったことが生検診断を困難にしたと考えられた.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,14版.金原出版,2010
2)日本胃癌学会(編).胃癌取扱い規約,13版.金原出版,1999
3)村上忠重.胃潰瘍癌に関する新しい考え方.順天堂医誌 13 : 157-165, 1967
4)丸山保彦,景岡正信,永田健,他.早期胃癌の肉眼型─決め方・考え方とその典型像2)0IIc型,0III型.胃と腸 44 : 522-532, 2009
5)滝澤登一郎.胃の病理形態学.医学書院,2003
6)Kushima R, Vieth M, Borchard F, et al. Gastric-type well-differentiated adenocarcinoma and pyloric gland adenoma of the stomach. Gastric Cancer 9 : 177-184, 2006
7)河内洋,岡本直子,吉田達也,他.“横這型胃癌”の臨床病理学的特徴.胃と腸 45 : 1203-1211, 2010
8)Borchard F. Forms and nomenclature of gastrointestinal epithelial expansion : what is invasion ? Verh Dtsch Ges Pathol 84 : 50-61, 2000
9)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン医師用,3版.金原出版,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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