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今月の主題 咽頭・頸部食道癌の鑑別診断 主題
咽頭・頸部食道の観察法―経口内視鏡での観察法
著者: 小山恒男1
所属機関: 1佐久総合病院胃腸科
ページ範囲:P.317 - P.324
文献購入ページに移動要旨 咽頭は複雑な形態であるうえ,嘔吐反射の影響を受けるため,食道や胃より観察が難しい.本稿では咽喉頭,頸部食道観察法に関して解説した.口蓋垂観察時には被験者に息を吸ってもらうと,良好な視野確保が可能となる.次に中咽頭,喉頭蓋の舌面を愛護的に観察した後に,声門を観察する.NBIでは暗く,声門を十分に観察することは困難であるため,白色光観察も併用する必要がある.また,呼吸時の声門の動きにも注目する.左右の梨状陥凹を観察する際には,患者に「息止め」をしてもらうか,「イー」と発声してもらうと声門が前方へ移動するため観察が容易となる.短時間で効率よく咽頭を咽頭観察するための手順を身につけることが重要である.
参考文献
1)小山恒男,高橋亜紀子,北村陽子,他.中・下咽頭表在癌の内視鏡治療─ESDの立場から,胃と腸 45 : 253-263, 2010
2)門馬久美子,吉田操,川田研郎,他.中・下咽頭癌の通常内視鏡観察,胃と腸 40 : 1239-1254, 2005
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