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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻4号

2012年04月発行

文献概要

今月の主題 消化管EUS診断の現状と新たな展開 主題

早期胃癌のEUS深達度診断

著者: 三宅直人1 長南明道1 三島利之1 中堀昌人1 石橋潤一1 松田知己1 佐藤俊1 羽根田晃1 高橋佳之1 奧薗徹1 水野浩志1 宮下祐介1 濱本英剛1 中條恵一郎1 二瓶公佑1 望月福治1

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内視鏡センター

ページ範囲:P.482 - P.489

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要旨 EUSによる正常胃壁の基本層構造と早期胃癌深達度診断の基本について述べ,さらに早期胃癌のEUS診断能について検討した.過去5年間に当センターで切除された早期胃癌1,601病変のうちEUSが施行された568病変の描出不良率は11.6%(66病変)であった.また,描出不良例を除いた502病変で,EUSおよび内視鏡の深達度診断能を肉眼型,深達度別に検討した.その結果,描出不良率はL領域で高かった.描出可能な病変では,EUSは7.2%で内視鏡診断の不一致を補正するのに有用であり,oversugeryを避ける観点からは,特に内視鏡診断SM2の病変にEUSを施行するのが有用と考えられた.

参考文献

1)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン医師用,3版.金原出版,2010
2)相部剛.超音波内視鏡による消化管壁の層構造に関する基礎的,臨床的研究(1)胃壁の層構造について.Gastroenterol Endosc 26 : 1447-1464, 1984
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4)長南明道.陥凹型早期胃癌における超音波内視鏡(EUS)深達度診断能の検討─癌巣内線維化巣の深さに基づく新診断基準を中心に.Gastroenterol Endosc 35 : 1269-1481, 1993
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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