文献詳細
文献概要
私の一冊
「炎症性腸疾患の鑑別診断(2)─大腸病変を中心に」25巻6号(1990年)
著者: 斉藤裕輔1
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター
ページ範囲:P.585 - P.585
文献購入ページに移動腫瘍の診断においては,(NBI)拡大内視鏡の登場により病理組織の肉眼像から顕微鏡像が診断のゴールとなりつつもあるが,炎症性腸疾患においてはわれわれ臨床医は病理肉眼像を形態診断学のゴールとして,X線造影検査や内視鏡検査を行い,読影している.本論文では,極めて多岐にわたる広義の炎症性腸疾患において,われわれのゴールである病理標本のマクロ像を系統立てて理路整然と完璧に分類されている.われわれ臨床医の画像診断のゴールが病理の肉眼像であるから,この分類をそのまま,X線造影検査や内視鏡検査に移行することが可能である.本論文の内容を頭にたたき込むことで,実際に臨床画像の異常所見を分析する際に「この所見が示現されているのだから,この疾患とこの疾患は絶対に違う」と,回り道することなく,最短距離で診断にたどり着くことが可能となる.
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