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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻4号

2012年04月発行

文献概要

胃と腸 図譜

サイトメガロウイルス腸炎

著者: 大川清孝1 佐野弘治2

所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科 2大阪市立総合医療センター消化器内科

ページ範囲:P.586 - P.589

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1概念,病態

 サイトメガロウイルス(cytomegalovirus ; CMV)はヘルペス科のDNAウイルスで,ヒト以外に感染せず,ヒトからヒトへの伝播には密接な接触が必要である1).CMVの感染様式には母子間,性的,医原的がある.母子間では周産期から幼児期に胎盤,産道,母乳などから感染する.性的感染は大人になってからの初感染が多く,精液,子宮頸管・腟分泌液などから感染する.医原的は移植,輸血などにより感染する.

 本邦では多くが周産期から幼児期に初感染を受け,終生持続感染する.多くは不顕性感染で,成人の抗体保有率は60~90%と言われている.思春期以降に初感染を受けた場合は伝染性単核球症様の症状を呈することが多く,CMV単核球症と呼ばれる.

参考文献

1)栄鶴義人.感染症と移植─サイトメガロウイルス感染症.今日の移植 18 : 25-31, 2005
2)大川清孝,上田渉,佐野弘治,他.感染性腸炎の最近の知見─サイトメガロウイルス腸炎.胃と腸 43 : 1053-1062, 2008
3)大川清孝,上田渉,佐野弘治,他.慢性感染性腸炎の内視鏡診断.Gastroenterol Endosc 52 : 221-230, 2010
4)井谷智尚.サイトメガロウィルス腸炎─CMV感染を伴った急性出血性直腸潰瘍.大川清孝,清水誠治(編).感染性腸炎A to Z,医学書院,pp 116-117,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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