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胃と腸 図譜
サイトメガロウイルス腸炎
著者: 大川清孝1 佐野弘治2
所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科 2大阪市立総合医療センター消化器内科
ページ範囲:P.586 - P.589
文献購入ページに移動サイトメガロウイルス(cytomegalovirus ; CMV)はヘルペス科のDNAウイルスで,ヒト以外に感染せず,ヒトからヒトへの伝播には密接な接触が必要である1).CMVの感染様式には母子間,性的,医原的がある.母子間では周産期から幼児期に胎盤,産道,母乳などから感染する.性的感染は大人になってからの初感染が多く,精液,子宮頸管・腟分泌液などから感染する.医原的は移植,輸血などにより感染する.
本邦では多くが周産期から幼児期に初感染を受け,終生持続感染する.多くは不顕性感染で,成人の抗体保有率は60~90%と言われている.思春期以降に初感染を受けた場合は伝染性単核球症様の症状を呈することが多く,CMV単核球症と呼ばれる.
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