文献詳細
文献概要
特集 図説 胃と腸用語集2012
序文
著者: 松井敏幸1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科
ページ範囲:P.609 - P.609
文献購入ページに移動 1996年に「形態用語の使い方・使われ方」という用語集が増刊号として出版され1),その後の補訂を経て2002年に「胃と腸用語事典」(医学書院)が出版された2).その序文に同書の趣旨をみることができる.すなわち,早期胃癌研究会での討論で問題になる用語を挙げ,用語の使われ方に統一をもたせることを目的としたとされている.基本的姿勢として,言語や用語の当初の用いられ方を重要視し,用語の基本的な意味を振り返ることも同書の意義とされている.具体的な用語集の作成過程は,以下のとおり説明されている.「胃と腸」誌27巻(1992年)から29巻(1994年)の2年3か月間にかけて「用語の使い方」欄を設けて用語解説を連載した.同書はそれを充実させ,基本用語を図説し,系統的に解説することをねらった.
現在では当初の用語解説の連載開始からみて約20年が,用語事典出版からみて約10年が経過したことになる.その後の消化器診断学の推移をみると,大きな変化があることは間違いない.本特集号では,前回と同様の姿勢で企画に臨むが,近年多用される用語を取り上げることになる.もちろん,最近の「胃と腸」誌に使われた基本的な用語はもれなく取り上げるつもりである.あえて,多くの用語から厳選した213項目を取り上げて,用語の基本と意見とを組み合わせた内容としたい.この項目数は,1996年の増刊号の項目数147と比較して,かなり増加している.しかも,項目内容を比べると,前回採用され,今回採用とならなかった項目数は94であり,今回採用された新規項目数は165に及ぶ(48項目が共通した項目数).この理由は,基本的に前回の内容で記述に変化がないものや,歴史的な経緯が判明し前回に詳述されているものは,今回は割愛した.その中にはX線検査に関する用語が多かった.振り返ると,その用語は現在あまり使用頻度が高くないものがあるが,ある程度診断学の現状を反映している.
現在では当初の用語解説の連載開始からみて約20年が,用語事典出版からみて約10年が経過したことになる.その後の消化器診断学の推移をみると,大きな変化があることは間違いない.本特集号では,前回と同様の姿勢で企画に臨むが,近年多用される用語を取り上げることになる.もちろん,最近の「胃と腸」誌に使われた基本的な用語はもれなく取り上げるつもりである.あえて,多くの用語から厳選した213項目を取り上げて,用語の基本と意見とを組み合わせた内容としたい.この項目数は,1996年の増刊号の項目数147と比較して,かなり増加している.しかも,項目内容を比べると,前回採用され,今回採用とならなかった項目数は94であり,今回採用された新規項目数は165に及ぶ(48項目が共通した項目数).この理由は,基本的に前回の内容で記述に変化がないものや,歴史的な経緯が判明し前回に詳述されているものは,今回は割愛した.その中にはX線検査に関する用語が多かった.振り返ると,その用語は現在あまり使用頻度が高くないものがあるが,ある程度診断学の現状を反映している.
参考文献
1)特集 図説 形態用語の使い方・使われ方.胃と腸 31 : 259-438, 1996
2)胃と腸用語事典.八尾恒良(監),牛尾恭輔,池田靖洋,他(編).医学書院,2002
3)松井敏幸,八尾恒良,多田正大,他.座談会 「胃と腸」創刊号からの電子ジャーナル化を迎えて─歴代編集委員長の“私の一冊”.胃と腸 47 : 113-128, 2012
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