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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 解剖

十二指腸・小腸の解剖用語

著者: 岩下明德1 田邉寛1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部

ページ範囲:P.625 - P.626

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 小腸は,胃の幽門に始まり,回盲口によって盲腸に開くまでの全長約6mの中空性器官である.胃で糜汁化した食物を下部消化管へと輸送しつつ,小腸自身や付随する腺(肝や膵臓)から分泌された消化酵素によってそれを完全に消化し,栄養分を吸収するという第一義的機能のほかに,人体最大の免疫器官としての機能も有する.

 小腸は,十二指腸,空腸および回腸の3つの部位に区分される.十二指腸は小腸の初部を成し,胃の幽門から十二指腸提筋(Treitz靱帯)で固定された十二指腸空腸曲までの20~30cmの部位をいう.十二指腸は腸間膜を欠き,前面をおおう腹膜の続きによって後腹壁に固定されており,膵頭部の縁を取り囲むように左上方に開いたC字状の走行を示す.下行部ほぼ中央の後内側壁に十二指腸乳頭が隆起し,ここに総胆管と膵管が合一して,あるいは別々に開口する.

参考文献

1)藤田尚男,藤田恒夫.標準組織学各論,3版.医学書院,1992
2)小川和朗,溝口史郎(編).組織学,2版.文光堂,1993
3)山元寅男,渡辺陽之輔(編).人体組織学─消化器.朝倉書店,1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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