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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技

内視鏡的逆行性回腸造影(endoscopic retrograde ileography;ERIG)

著者: 佐藤祐邦1 平井郁仁1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科

ページ範囲:P.640 - P.641

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 1985年に川村ら1)が内視鏡下に挿入したガイドワイヤーに沿いイレウスチューブを回腸末端まで挿入し,バリウムと空気で二重造影を行う選択的逆行性回腸造影法を考案した.さらに1992年,竹中ら2)は,同法がゾンデ式小腸二重造影に比べ,下部小腸や回腸末端におけるバリウムの付着や伸展性がよいこと,腸管の重なりが少ないなどのことから描出能が優れていることを証明した.しかし,先端バルーン逸脱のため良好な二重造影が得られないなどの問題点を有したため,1995年に竹中ら3)はチューブ先端の逸脱を防ぐために改良を加え,逆行性回腸造影用チューブを考案し,その手技を確立させた.

 大腸内視鏡検査と同様の前処置で,用いる造影剤は,以前は50~70w/v%の低濃度のバリウムを使用していたが,回腸に残った前処置液でバリウムが付着不良となるために,現在では100w/v%のバリウムに5~10mlの消泡剤を混ぜ,100~250ml使用している.

参考文献

1)川村亮機,岡部正人,三隈厚信.小腸の内視鏡観察およびX線造影同時併用法.胃と腸 20 : 797-804, 1985
2)竹中国昭,岡田光男,八尾恒良.大腸内視鏡検査を利用した逆行性回腸造影と選択的大腸造影の検討.胃と腸 27 : 1435-1448, 1992
3)竹中国昭,真武孔明,帆足俊男,他.Crohn病の下部回腸病変に対する大腸内視鏡を利用した逆行性回腸造影 ; 改良型バルーン使用後の本邦の評価を含めて.日消誌 92 : 1695, 1995
4)長浜孝,平井郁仁,高木靖寛,他.選択的逆行性回腸造影.胃と腸 43 : 1255-1259, 2008
5)頼岡誠,平井郁仁,八尾恒良,他.小腸内視鏡検査後の小腸X線造影用ゾンデ(福大筑紫式)の考案とその使用成績.胃と腸 46 : 500-506, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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