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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技

カプセル内視鏡(capsule endoscope)

著者: 中村哲也1 生沼健司2

所属機関: 1獨協医科大学医療情報センター 2獨協医科大学消化器内科

ページ範囲:P.651 - P.651

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 カプセル内視鏡は,被検者がみずから飲み込むだけで消化管の検査ができ,ビデオ画像で診断する.2011年12月時点で食道用,小腸用,大腸用の画像撮影専用モデルが実用化され,可動式モデルも開発されている.日本では小腸用のPillCam® SB2(ギブン・イメージング社)とEndoCapsule®(オリンパスメディカルシステムズ社)が,上部および下部消化管の検査(内視鏡検査を含む)を行っても原因不明の消化管出血に対して保険適用になっている1).大腸用のPillCam® COLON2(ギブン・イメージング社)2)は治験進行中である.

 滞留(retention,消化管内の狭窄部の口側に,2週間以上カプセルがとどまること)は,カプセル内視鏡のほぼ唯一の偶発症である(Fig. 1)3).小腸二重造影を含む他の検査では滞留が起こるか否かを予知することができないため,腸管の狭窄の有無を調べる目的でAgile Patency Capsule(Agile-J)4)が開発され,近々認可される見込みである.

参考文献

1)中村哲也,生沼健司,寺野彰.カプセル内視鏡検査.山本博徳(監),砂田圭二郎,矢野智則(編).Visual小腸疾患診療マニュアル.メジカルビュー社,pp 49-61,2011
2)田尻久雄.大腸カプセル内視鏡検査の現状と課題.Gastroenterol Endosc 53 : 2988-2999, 2011
3)中村哲也,日本カプセル内視鏡研究会用語小委員会.カプセル内視鏡関連用語.寺野彰(監),榊信廣,中村哲也(編).カプセル内視鏡スタンダードテキスト.南江堂,pp 11-14,2010
4)渡辺憲治,細見周平,塚原卓也,他 : カプセル内視鏡による炎症性腸疾患の診断.消内視鏡 22 : 323-328, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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