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特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技
FICE(flexible spectral imaging color enhancement)
著者: 有馬美和子1
所属機関: 1埼玉県立がんセンター消化器内科
ページ範囲:P.658 - P.658
文献購入ページに移動 FICE(flexible spectral imaging color enhancement)は,コンピュータの演算処理で通常画像から任意の波長のシミュレーション画像に切り換えることができる“分光推定技術(spectral estimation processing)”を応用したデジタル法画像強調イメージングである.被写体の各画素の反射スペクトルを推定し,任意の3波長の分光画像を抽出,擬似カラー化して内視鏡像を再構築するもので,2005年にMiyakeらとフジノン社によって開発された(Fig. 1)1)2).画像の再構成に用いる波長は5nmごとに設定可能で,3波長をRGBチャンネルに割り当てて,自由に設定することができる.
FICEはオリンパス社製のNBI(narrow band imaging)と同様,粘膜表層の微細血管構造や腺管構造の視認性を強調させる効能をもつ(Fig. 2)3).コンピュータ処理画像であることから,NBIに比べるとやや画像が粗い印象があるが,画像強調モードへの切り替えに全くタイムラグがないのが特徴である.また,複数の波長の組み合わせを設定し,内視鏡プロセッサのキーボード操作で切替えることができる.
FICEはオリンパス社製のNBI(narrow band imaging)と同様,粘膜表層の微細血管構造や腺管構造の視認性を強調させる効能をもつ(Fig. 2)3).コンピュータ処理画像であることから,NBIに比べるとやや画像が粗い印象があるが,画像強調モードへの切り替えに全くタイムラグがないのが特徴である.また,複数の波長の組み合わせを設定し,内視鏡プロセッサのキーボード操作で切替えることができる.
参考文献
1)Miyake Y, Sekiya T, Kubo S, et al. A new spectrophotometer for measuring the spectral reflectance of gastric mucous membrane. J Photographic Science 37 : 134-138, 1989
2)三宅洋一(編).分光画像処理入門,東京大学出版会,pp 21-35,2006
3)有馬美和子,有馬秀明,多田正弘,他.食道表在癌の深達度診断─FICE併用拡大内視鏡.胃と腸 46 : 677-686, 2011
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