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特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技
IRI(infrared imaging)
著者: 永尾重昭1
所属機関: 1防衛医科大学校光学医療診療部
ページ範囲:P.661 - P.661
文献購入ページに移動可視光では得られ難い粘膜深部の情報,特に血管情報を得られることから,その発色パターンから胃腺腫,胃癌の鑑別診断,また分化型の早期胃癌の深達度診断(M,SMの鑑別)の一助として期待されている(Fig. 1).また,通常内視鏡では不可視である粘膜下層の比較的太い静脈がIRI観察で明らかとなりESD(endoscopic submucosal dissection)などの術前の出血余地,術後出血の予知に役立つ.さらには,通常無色透明な硬化剤がICG付加でIRI観察での食道静脈瘤硬化療法時には静的,動的にリアルタイムに硬化剤注入の状況が食道内,胃内分布(特に左胃静脈の胃壁枝)が明らかとなる(Fig. 2).硬化療法中には刺入している静脈瘤本体以外の隣接し,交通している分枝した可視光では視認できない細小静脈瘤への硬化剤の流入状況が観察できるので追加治療の適否などの効果判定の早期予測の一助としている.
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