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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技

ボーリング生検(boring biopsy)

著者: 赤松泰次1

所属機関: 1地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立病院内視鏡センター

ページ範囲:P.665 - P.665

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 ボーリング生検とは 通常の鉗子生検では粘膜および粘膜下層の一部しか採取できないため,病変の主座が粘膜下層以下の深部に存在する場合には目的とする組織標本を採取することが困難である.ボーリング生検とは,粘膜表面から深部に向かって同一の部位より鉗子生検を繰り返し,深部に存在する病変の組織を採取する方法である.

 ボーリング生検の適応 ボーリング生検の適応は,GIST(gastrointestinal stromal tumor)をはじめとする粘膜下腫瘍,通常の鉗子生検では癌陰性のスキルス胃癌1),粘膜下腫瘍様形態を呈する胃癌などが疑われる症例である.一方,悪性リンパ腫やカルチノイド腫瘍は粘膜下腫瘍様にみえても,腫瘍組織が比較的表層にも存在するため通常の鉗子生検でも腫瘍細胞の採取が可能な場合が多い.

参考文献

1)赤松泰次.スキルス胃癌と鑑別を要する腫瘍性疾患─胃悪性リンパ腫.胃と腸 45 : 485-488, 2010
2)赤松泰次.胃粘膜下腫瘍へのボーリングバイオプシーの適応.医事新報 4494 : 79-80, 2010
3)Yokoyama T, Nakamura N, Kiyosawa K, et al. A biopsy-negative esophageal cancer : diagnosis by combination of bite biopsy and endoscopic mucosal resection using a cap-fitted panendoscope(EMRC). Endoscopy 33 : 386, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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