icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 検査法・手技

MREC(MR entero-colonography)

著者: 藤井俊光1 渡辺守1

所属機関: 1東京医科歯科大学消化器内科

ページ範囲:P.668 - P.668

文献購入ページに移動
 小腸大腸病変の診断法の1つとして近年MRI(magnetic resonance imaging)が注目されている.MRIは肛門病変や瘻孔など腸管外病変の評価に特に有用であるが,デバイスの進歩による撮影時間の短縮で蠕動の影響が最小限となり,撮影法・前処置の改良から腸管内・壁内病変の存在診断・活動性の評価が可能となった.なにより,他の消化管の検査では多くなりがちな放射線被曝を回避できるのが最大のメリットであり,欧州をはじめとして腸管病変の診断においてMRIを第1選択のひとつとする動きがある.若年者の多い炎症性腸疾患ではよい適応となる.

 MREC(MR entero-colonography)はこれまでのMR enterographyの前処置の改良により小腸と大腸を同時に評価することができるようになった(Fig. 1, 2)1).ゾンデ挿入や注腸の必要がなく非侵襲的で簡便である.また,MRECに引き続き内視鏡検査を行うことで,小腸病変のスクリーニングと大腸の微細病変および組織学的な評価が同日で可能となり,実臨床上簡便かつ有用である.ただしニフレック®の小腸通過時間に個人差があり,上部小腸の評価が困難なことがある.

参考文献

1)Hyun SB, Kitazume Y, Nagahori M, et al. Magnetic resonance enterocolonography is useful for simultaneous evaluation of small and large intestinal lesions in Crohn's disease. Inflamm Bowel Dis 17 : 1063-1702, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?