文献詳細
文献概要
特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔食道〕
食道柵状血管(esophageal pallisade vessels)
著者: 小山恒男1
所属機関: 1佐久総合病院胃腸科
ページ範囲:P.672 - P.672
文献購入ページに移動 De Carvalho1)は胃噴門部粘膜下層の血管が食道胃接合部で粘膜固有層に入り込み,下部食道の粘膜固有層を2~3cm(平均2.5cm)口側へ走行し,再び粘膜下層に移行することを報告した.内視鏡では下部食道に見られる柵状血管がこれに相当する.
食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)は常に収縮しているため,内視鏡観察が難しく,柵状血管の観察にはコツを要する.被験者に大きく息を吸ってもらうと縦隔が陰圧になり,食道が拡張すると同時にEGJが口側へ移動するため,EGJの観察が容易となる.また,食道拡張に伴って上皮が薄くなるため,柵状血管も観察しやすくなる.
食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)は常に収縮しているため,内視鏡観察が難しく,柵状血管の観察にはコツを要する.被験者に大きく息を吸ってもらうと縦隔が陰圧になり,食道が拡張すると同時にEGJが口側へ移動するため,EGJの観察が容易となる.また,食道拡張に伴って上皮が薄くなるため,柵状血管も観察しやすくなる.
参考文献
1)De Carvalho CAF. Sur I'angioarchitecture veineuse de la zone de transition oesophgogastrique et son interpretation functionnelle. Act Anat 64 : 125-162, 1966
2)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,2008
掲載誌情報