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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔食道〕

畳目模様(tatamime sign)

著者: 平澤大1

所属機関: 1仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科

ページ範囲:P.677 - P.677

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 畳目模様(tatamime sign)1)は食道の内視鏡観察時にみられる細かい輪状のひだを指し,畳の模様に類似した所見である.別名,“輪状ひだ(食道)”や“畳の目サイン”と呼称されるニックネームであり,消化器内視鏡用語集2)にも記載されていない.

 畳目模様は食道表在癌の深達度診断に有用な所見として,神津3)により「胃と腸」で報告された.通常観察時にも出現するが,ヨード染色後に出現することが多い(Fig. 1).また,意識的に出現させることは難しく,空気量を調節し,弱伸展で待っていると,出現しやすい.正常粘膜では,均一な細い輪状かつ波様のひだとしてとらえられる.pT1a-EP癌では畳目模様は崩れることはなく(Fig. 2),pT1a-LPMの癌病巣では1/2の症例で模様が崩れ,pT1a-MM以深の癌病巣では途絶すると言われている(Fig. 3, 4)4)~6).つまり,癌病巣内の畳目模様が崩れた,もしくは消失した場合はpT1a-LPMより深い浸潤を示唆する所見である.

参考文献

1)Kouzu T, Hishikawa E, Miyazaki S. What are the findings of esophageal cancer to be treated endoscopically ? Abdom Imaging 28 : 470-476, 2003
2)日本消化器内視鏡学会用語委員会(編).消化器内視鏡用語集,3版.医学書院,2011
3)神津照雄.X線・内視鏡所見用語─畳目模様(“Tatamime”sign).胃と腸 31 : 369, 1996
4)門馬久美子,吉田操,藤原純子,他.食道扁平上皮癌の深達度診断.胃と腸 42 : 637-682, 2007
5)小山恒男,関茂樹,岡庭信司,他.辺縁隆起と畳目模様の中断が深達度診断に有用であった0-IIc型食道微小sm1癌.消内視鏡 11 : 1419-1424, 1999
6)結城豊彦,佐藤匡,石田一彦,他.基底層よりsm側へ浸潤した長径1cmの食道表在癌の1例.消内視鏡 11 : 1411-1417, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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