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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔胃〕

蚕食像・ひだ集中・中断・先細り・肥大・融合・接合・周堤

著者: 佐藤俊1 長南明道1

所属機関: 1財団法人厚生会仙台厚生病院消化器内視鏡センター

ページ範囲:P.686 - P.687

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 蚕食像 陥凹型胃癌の表面に露出した陥凹部と非露出部の境界に認められる微細な不整所見で,悪性診断の最も重要な指標である.ひだ集中の有無にかかわらず,癌の辺縁に認められる.癌が粘膜表面に露出すると,同部はびらん性変化を受けて組織の欠損が認められる.この組織欠損部と非癌粘膜上皮の境界が蚕食像であり,未分化型癌(por,sig)でより明瞭に認められる(Fig. 1, 2)1)

 ひだの集中 UL-II以上の潰瘍および潰瘍瘢痕に向かって周囲から粘膜ひだが集中する所見である.良性潰瘍では集中する粘膜ひだはなだらかに収束する.陥凹型胃癌でも早期癌を中心にしばしば消化性潰瘍および潰瘍瘢痕を伴い,同部に向かって粘膜ひだが集中する.集中点を認めれば,粘膜ひだ集中といってよく,その先端形状は癌浸潤の深さと量により,以下に述べるように様々に変化する.既存の粘膜ひだの豊富な胃体部大彎側で認めることが多い1)2)

参考文献

1)吉田裕司,市川平三郎.胃X線診断の考えかたと進め方 第2版.医学書院,pp 128-246, 2005
2)中村恭一.陥凹型早期胃癌の粘膜下組織浸潤の肉眼所見.胃と腸 17 : 219-221, 1982

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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