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特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔胃〕
稜線状発赤(Kammrötung)
著者: 岡﨑幸紀1 竹尾幸子1
所属機関: 1防府消化器病センター防府胃腸病院
ページ範囲:P.691 - P.691
文献購入ページに移動 ドイツ語のKammrötungである.表層性胃炎の胃鏡所見として,1956年刊行のHenning Nの書に記されている1).胃の皺襞の頂上を,幅をもった発赤が帯状に続いている所見である.
わが国では胃鏡が普及しなかったこと,胃カメラでは診断困難であったことから,ファイバースコープの時代になった1970年代の後半からこの所見が記載されるようになった.欧米では体部を中心に皺襞頂上部にみられているが,日本では前庭部大彎を中心に,数条の縦走する帯状発赤として認められた.
わが国では胃鏡が普及しなかったこと,胃カメラでは診断困難であったことから,ファイバースコープの時代になった1970年代の後半からこの所見が記載されるようになった.欧米では体部を中心に皺襞頂上部にみられているが,日本では前庭部大彎を中心に,数条の縦走する帯状発赤として認められた.
参考文献
1)Henning N. Krankheiten des Magens. In Lehrbuch der Verdauungs─krankheiten. p 118, Georg Thieme, Sttutgart, 1956
2)日本消化器内視鏡学会用語委員会(編).内視鏡所見に関する用語─各論.消化器内視鏡用語集,3版.pp 90-91,医学書院,2011
3)Schindler R. Chapter 6 Histopathology, Chronic Superficial Gastritis. In Gastritis. pp 44-45, Grune & Stratton, Philadelpia, 1947
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