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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔胃〕

RAC(regular arrangement of collecting venules)

著者: 八木一芳1

所属機関: 1新潟県立吉田病院内科

ページ範囲:P.692 - P.692

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 RAC(regular arrangement of collecting venules)とは内視鏡的に“胃体部に集合細静脈が規則的に配列する像”を指す1)2).遠景では“無数の点”として視認され(Fig. 1),近接では“ヒトデ状の血管模様が整然と配列する像”として視認される(Fig. 2)1).このようなRAC像が胃体部全体に観察される場合をRAC陽性としてH. pylori非感染の正常胃と判定する1)2)

 RAC陽性の場合は95%の正診率でH. pylori非感染の正常胃である1)2).十二指腸潰瘍など萎縮領域が遠位側のみのH. pylori感染胃では体上部にはRAC類似内視鏡像(ニセRAC)が観察されることがある.これは前庭部優位胃炎で体上部まで炎症がほとんど及んでいないためである.このような症例でも体下部ではRAC像が消失していることが多い.RAC陽性か否かの判定は体下部で行うことを筆者は推奨している(Fig. 3).典型的なH. pylori非感染の正常胃では胃角から前庭部小彎の近位側にもRAC像が観察される(Fig. 4)1)

参考文献

1)八木一芳,中村厚夫,関根厚雄,他.Helicobacter pylori陰性・正常胃粘膜内視鏡像の検討.Gastroenterol Endosc 42 : 1977-1987, 2000
2)Yagi K, Nakamura A, Sekine A. Characteristic endoscopic and magnified endoscopic findings in the normal stomach without Helicobacter pylori infection. J Gastroenterol Hepatol 17 : 39-45, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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