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特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔腸〕
網目像(fine network pattern;FNP)
著者: 斉藤裕輔1
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター
ページ範囲:P.701 - P.702
文献購入ページに移動 1965年,Williams1)はX線二重造影像上,大腸粘膜表面にみられる最も微細な模様を「innominate grooves」と命名し,ルーチン検査では約1/4に描出され,小範囲に認められるに過ぎない,と報告した.1971年,刈谷,西澤ら2)は「innominate grooves」から形成される大腸粘膜の微細な模様をFNP(fine network pattern)と名付け,大腸粘膜の微細所見の基本像と位置づけた.彼らの努力によりこのnetwork patternの描出率は約70%へと向上した.
FNPの1区域は20~100の腺開口(pit)から形成されている.また,FNPは上行,横行,下行結腸においては平均3×1mm,S状結腸では四辺形に近くなり,大きさは2×1mm程度であるとされている(Fig. 1).FNP描出率の向上により,微細・微小病変の描出・鑑別診断が可能となり,潰瘍性大腸炎,腸結核,Crohn病,虚血性腸炎など炎症性腸疾患における病変の推移や治療効果の判定が可能となり,本邦のX線診断学の発展に大きく寄与した.
FNPの1区域は20~100の腺開口(pit)から形成されている.また,FNPは上行,横行,下行結腸においては平均3×1mm,S状結腸では四辺形に近くなり,大きさは2×1mm程度であるとされている(Fig. 1).FNP描出率の向上により,微細・微小病変の描出・鑑別診断が可能となり,潰瘍性大腸炎,腸結核,Crohn病,虚血性腸炎など炎症性腸疾患における病変の推移や治療効果の判定が可能となり,本邦のX線診断学の発展に大きく寄与した.
参考文献
1)Williams I. Innominate grooves in the surface of mucosa. Radiology 84 : 877-880, 1965
2)刈谷淳,西澤護,野本一夫,他.大腸二重造影法の基本的X線像について.臨放 16 : 885-895, 1971
3)宇野良治.fine network pattern(網目像).「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸用語事典.医学書院,p 126,2002
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