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特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔腸〕
non-lifting sign
著者: 田中信治1
所属機関: 1広島大学内視鏡診療科
ページ範囲:P.707 - P.707
文献購入ページに移動大腸の粘膜は薄く,その厚さは約500μm程度であり,大腸腫瘍,特に表面型腫瘍をしっかりと鉗子生検すると粘膜筋板が破壊され粘膜下層にnon-lifting sign陽性の原因となる線維化が生じる(Fig. 1).したがって,拡大観察によるpit pattern診断や画像強調観察(narrow band imaging;NBI/flexible spectral-imaging color enhancement;FICE)などでoptical biopsyを行い,完全摘除生検としての内視鏡治療の適応があるかどうかを判定することが推奨されている.なぜならば,不用意な鉗子生検のために,EMRで瞬時に摘除できる病変に対して,近年普及してきた内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection;ESD)を導入しなくてはならなくなるからである.生検がどうしても必要な場合は,粘膜下層に影響が及ばないような工夫が必要であろう.
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