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特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔腸〕
陥凹局面
著者: 山野泰穂1
所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター
ページ範囲:P.709 - P.709
文献購入ページに移動 1977年に狩谷ら1)が大腸における平坦・陥凹型早期癌“IIc”を発見して以来,当初は“幻の癌”とされたが徐々に症例報告が増え“実在する癌”として認識され,大腸IIc研究会を通じてその臨床病理学的検討が成されてきた.その結果,IIc病変の多くは高分化あるいは中分化腺癌であり,悪性度や転移率の高さ,adenoma carcinoma sequenceとは異なる癌の発育進展をとること(de novo)などの素性が明らかになった2).
その一方で,IIa様の病変で色素撒布によりその頂部に色素の溜まりを呈する,なだらかな凹部を伴う腺腫性病変(いわゆるIIa+dep)3)が見い出されるようになったことで,前述の真のIIcとの区別のために陥凹の定義が必要となった.
その一方で,IIa様の病変で色素撒布によりその頂部に色素の溜まりを呈する,なだらかな凹部を伴う腺腫性病変(いわゆるIIa+dep)3)が見い出されるようになったことで,前述の真のIIcとの区別のために陥凹の定義が必要となった.
参考文献
1)狩谷淳,永野幸一,間山素行,他.IIc型早期大腸癌が認められた家族性大腸ポリポージスの1例.胃と腸 12 : 1359-1364, 1977
2)工藤進英.早期大腸癌─平坦・陥凹型へのアプローチ.医学書院,1993
3)工藤進英,中城一男,田村智,他.IIa+depression.臨消内科 11 : 1511-1517, 1996
4)工藤進英,山野泰穂,田村智,他.臨床からみた表層拡大型腫瘍─LSTにおける位置づけ.胃と腸 31 : 167-178, 1996
5)山野泰穂,工藤進英,今井靖,他.IIcと紛らわしい病変─IIa+depressionの位置づけ.早期大腸癌 2 : 75-82, 1998
6)工藤進英.大腸IIcのとらえ方(定義)(1)内視鏡の立場からa発育進展からみた真のIIc.早期大腸癌 2 : 9-14, 1998
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