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特集 図説 胃と腸用語集2012 画像所見〔腸〕
輪状潰瘍(annular ulcer,circular ulcer)
著者: 清水誠治1
所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科
ページ範囲:P.712 - P.712
文献購入ページに移動腸結核は右側結腸,回盲部,回腸に好発する.連続性のある輪状潰瘍よりは不整形小潰瘍が非連続的に輪状配列する場合が多く(Fig. 1),連続した潰瘍を形成する場合は幅が広い帯状潰瘍であることが多い(Fig. 2).未治療の段階でも周囲に小型の炎症性ポリープや萎縮瘢痕帯が併存することが多い.NSAID起因性腸炎でも輪状潰瘍がみられることがあり,大腸においては半月ひだ上(Fig. 3),小腸では輪状ひだ上に浅い潰瘍が形成される(Fig. 4).非特異性多発性小腸潰瘍症は慢性出血による貧血と低蛋白血症を来す疾患で回腸に浅い輪走,ないし斜走する潰瘍が多発する.虚血性大腸炎では縦走性の病変が有名であるが,半月ひだ上に紅暈を伴うびらんがみられることがある(Fig. 5).急性出血性直腸潰瘍は長期臥床中の患者で突然に無痛性の大量出血を来す疾患であり,歯状線近傍の下部直腸に限局して輪状,帯状潰瘍や輪状配列する類円形ないし不整形潰瘍が特徴的である.
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