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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕

中・下咽頭癌(oro-hypopharyngeal carcinoma)

著者: 藤原純子1 門馬久美子1

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.723 - P.723

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 「頭頸部癌取扱い規約」1)によれば,中咽頭は硬口蓋,軟口蓋の移行部から舌骨上縁(または喉頭蓋谷底部)の高さまでの範囲を指し,4つの亜部位(前壁,側壁,後壁,上壁)に分類される.下咽頭は,舌骨上縁から輪状軟骨下縁までの範囲を指し,3つの亜部位〔咽頭食道接合部(輪状後部),梨状陥凹,咽頭後壁〕に亜分類される.

 咽頭領域の発癌には,ALDH2(aldehyde dehydrogenase-2)ヘテロ欠損型の非常に強い影響とADH1B(alcohol dehydrogenase-1B)ホモ低活性型,フラッシャー,赤血球MCV(mean corpuscular volume)の増大,高度の喫煙の影響が指摘されており2),食道癌に類似している.さらに,食道癌多発例や食道内ヨード不染多発例も,高危険群である3)

参考文献

1)日本頭頸部癌学会(編).頭頸部癌取扱い規約,4版.金原出版,2005
2)横山顕,大森泰,横山徹爾,他.中・下咽頭領域の表在癌の危険因子─アルコール依存症男性の内視鏡検診に基づく症例対象研究.胃と腸 45 : 180-189, 2010
3)門馬久美子,吉田操,川田研郎,他.中・下咽頭癌の通常内視鏡観察.胃と腸 40 : 1239-1254, 2005
4)門馬久美子,藤原純子,加藤剛,他.中・下咽頭表在癌の内視鏡診断─通常内視鏡およびNBIの立場から.胃と腸 45 : 203-216, 2010
5)佐藤靖夫,大森泰,横山顕,他.中・下咽頭表在癌および咽喉頭表在癌における診断と治療─耳鼻咽喉科の立場から.消内視鏡 18 : 1407-1416, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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