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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
表在型食道癌(superficical esophageal cancer)
著者: 門馬久美子1 吉田操2
所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科 2財団法人早期胃癌検診協会
ページ範囲:P.724 - P.724
文献購入ページに移動表在型食道癌の壁深達度と脈管侵襲・リンパ節転移頻度は,密接に相関しているため,治療法の選択は,主として壁深達度を参考に決定する.このため,治療前の正確な深達度診断3)が必要である.表在型食道癌に用いる深達度亜分類1)では,基本的に粘膜癌(M癌)と粘膜下層癌(SM癌)の2つに分けられる.さらに,M癌は,上皮内癌(T1a-EP),粘膜固有層癌(T1a-LPM),粘膜筋板癌(T1a-MM)の3つに分けられる.SM癌は,粘膜下層の上1/3までの浸潤(SM1),中1/3までの浸潤(SM2),下1/3までの浸潤(SM3)の3つに分類されている.リンパ節転移がほとんどないT1a-EP・LPM癌には,内視鏡治療〔EMR/ESD(endoscopic mucosal resection/endoscopic submucosal dissection)〕を含めた局所的治療が適応である.リンパ節の転移頻度が10%程度のT1a-MM・SM1癌には,標準的治療としては,リンパ節郭清を含めた外科治療を原則とするが,EMR/ESD治療後の病理所見を参考に何らかの追加治療を行う症例が増加している.リンパ節転移を高頻度に伴うSM 2~3癌には,リンパ節郭清を含めた食道癌根治手術が標準治療である.
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