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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕

Barrett食道(Barrett's esophagus)

著者: 山形拓1 平澤大1

所属機関: 1仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科

ページ範囲:P.727 - P.727

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 食道胃接合部から連続性に食道へと伸びる円柱上皮をBarrett粘膜と呼び,Barrett粘膜の存在する食道をBarrett食道と呼ぶ1).欧米では生検による腸上皮化生の存在がBarrett食道診断の条件であるが,本邦では腸上皮化生の有無は問わない.Barrett粘膜が全周性に3cm以上あるものをLSBE(long segment Barrett's esophagus,Fig. 1),それ以外をSSBE(short segment Barrett's esophagus,Fig. 2)と定義され,欧米ではLSBEが,本邦ではSSBEが多くみられる.Barrett食道の内視鏡像は,光沢を失ったビロード状の発赤面を呈することが多い.

 Barrett食道の診断には,食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)を同定する必要がある.EGJは内視鏡的に食道下部の柵状血管の下端2),ないしは胃大彎の縦走襞の口側終末部と定義されている3).本邦では萎縮性胃炎の合併頻度が高く,胃粘膜襞が観察されないことがある.また,胃粘膜襞の口側端は空気量により容易に変化することから,柵状血管下端をもってEGJと診断する機会が多い.しかし,柵状血管も炎症などで不明瞭となる場合があり,両者を併用して診断することが大切である.

参考文献

1)日本食道学会(編).臨床・病理─食道癌取扱い規約,10版.金原出版,2007
2)星原芳雄,小暮喬,福地創太郎,他.下部食道縦走血管の内視鏡的観察とその臨床的意義.Gastroenterol Endosc 28 : 941-946, 1986
3)Sharma P, Dent J, Armstrong D, et al. The development and validation of an endoscopic grading system for Barrett's esophagus : The Prague C & M criteria. Gastroenterology 131 : 1392-1399, 2006
4)Shaheen NJ, Crosby MA, Bozymski EM, et al. Is there publication bias in the reporting of cancer risk in Barrett's esophagus ? Gastroenterology 119 : 333-338, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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