icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕

食道胃接合部腺癌(adenocarcinoma of esophagogastric junction)

著者: 下田忠和1

所属機関: 1国立がん研究センターがん対策情報センター

ページ範囲:P.729 - P.730

文献購入ページに移動
 定義(Fig. 1) 世界で議論が多くなされ,日本と欧米とでは異なった定義がされている.なお,食道胃接合部(esophagogastric junction;EGJ)の定義は「食道胃接合部の分類」の項を参照(855頁).

 1)Siewert分類1) Type 1 : 腫瘍中心の位置がEGJから1cm以上離れた食道側の腺癌,Type 2 : 腫瘍の中心がEGJの食道側1cm,胃側2cm以内に癌の中心がある腺癌,Type 3 : 腫瘍の中心が胃側に2cm以上5cm以内の腺癌に分類されている.このうちType 2を狭義のEGJ腺癌と定義している.Type 1の多くはLSBE(long segment Barrett's esophagus)に発生した癌で,Type 3は胃体上部の癌(subcardiac cancer)に相当する.

参考文献

1)Siewert JR, Stein HJ. Classification of adenocarcinoma of the oesophagogastric junction. Br J Surg 85 : 1457-1459, 1998
2)Sobin L, Gospodarowicz M, Wittekind C(eds). TNM classification of malignant tumors, 7th ed. Wiley-Blackwell, Hoboken, 2010
3)日本食道学会(編).食道癌取扱い規約,10版補訂版.金原出版,pp 40-42,2008
4)下田忠和.食道胃接合部癌の臨床病理.病理と臨 29 : 939-951, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?