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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
Mallory-Weiss症候群(Mallory-Weiss syndrome)
著者: 小澤俊文1
所属機関: 1佐藤病院消化器内科
ページ範囲:P.734 - P.734
文献購入ページに移動 発症前の嘔吐により噴門部近傍の消化管壁が粘膜下層までの深さで縦走に裂けることであり,吐血や下血を愁訴とする.1929年にGeorge MalloryとSoma Weissが“飲酒者に嘔吐を繰り返し大量吐血にて死亡した4例”として初めて報告した1).内視鏡検査の普及に伴い軽症例も含めて多数の報告例があり,裂傷の確認も容易となった.近年では“症候群”ではなく“裂創(tear,laceration)”と表記されることが多い.上部消化管出血例の2~6%を占め,90%が男性である.
病因 嘔吐により腹腔内圧や胃・食道内圧が急激に上昇した結果として胃噴門部周辺が過剰に伸展され,食道胃接合部付近の粘膜に裂創を生じて出血する.食道裂孔ヘルニアとの関連については明確なものはない.
病因 嘔吐により腹腔内圧や胃・食道内圧が急激に上昇した結果として胃噴門部周辺が過剰に伸展され,食道胃接合部付近の粘膜に裂創を生じて出血する.食道裂孔ヘルニアとの関連については明確なものはない.
参考文献
1)Mallory G, Kenneth MD, Weiss S. Hemorrhages from lacerations of the cardiac orifice of the stomach due to vomiting. Am J Med Sci 178 : 506-514, 1929
2)Zeifer HD. Mallory-Weiss syndrome. Ann Surg 154 : 956-960, 1961
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