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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
食道炎症性疾患:ヘルペス,サイトメガロウイルス(esophageal inflammatory disease)
著者: 来間佐和子1 藤原崇1
所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科
ページ範囲:P.736 - P.736
文献購入ページに移動サイトメガロウイルス(cytomegalovirus;CMV)食道病変は,主にHIV(human immunodeficiency virus)感染者において発症し,非HIV感染者での発症は極めてまれである.CD4値が100cell/μl以下で好発する.CMV antigenemiaは陽性となることが多い2).症状は,嚥下痛,嚥下困難,心窩部痛などを主訴とすることが多い.病変は多発する傾向があり,大きさは数mm~数cmまで様々である.内視鏡的には,潰瘍底に白苔を伴わない打ち抜き潰瘍(Fig. 2a)が典型的とされるが,不整形や地図状のびらんや浅い潰瘍(Fig. 2b)を形成することも少なくない.病理組織学的には核内封入体を認め,CMVの免疫染色で陽性となるが,生検での陽性率は低いため潰瘍底より複数個の生検を行う.治療は,ガンシクロビル,ホスカルネットなどの抗CMV薬で行う.
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