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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
腐食性食道炎(corrosive esophagitis)
著者: 島田英雄1 幕内博康2
所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院外科 2東海大学医学部外科
ページ範囲:P.737 - P.737
文献購入ページに移動一般に酸性物質では,組織表面に凝固壊死が起きるため深部組織への浸透が少ない.一方,アルカリ物質では強い,吸湿性,鹸化作用のため組織作用が強く傷害が深部にまで及ぶとされている1).その病態は,薬剤の飲用により接触する広範囲な領域の粘膜傷害となり,口腔から咽頭喉頭,食道,胃に及び,多発かつ連続性の粘膜傷害を特徴とする.傷害の好発領域に関して,酸では中部,食道から下部食道,特に食道胃接合部の傷害が強いとされる(Fig. 1).アルカリでは口腔内,上部食道に傷害が目立ち,胃は比較的軽微とされる(Fig. 2).腐食性物質の飲用が疑われれば,X線検査,CT検査で食道穿孔の有無などを評価する.全身状態が安定していれば,内視鏡検査は可及的に早期に行い,粘膜傷害の領域と程度を把握しておくことは,その後の治療方針の決定に必要である.
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