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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
食道憩室(esophageal diverticulum)
著者: 小澤俊文1
所属機関: 1佐藤病院消化器内科
ページ範囲:P.739 - P.739
文献購入ページに移動 食道憩室とは,食道壁の一部が外側へ囊状に突出する状態である.頻度は0.5~1.3%と日常的に経験する1).組織学的分類(真性憩室,仮性憩室)や発生原因別分類(圧出性,牽引性),発生部位別分類などいくつかの分類がある.一般的には発生部位別の分類が広く用いられている.すなわち,(1) 咽頭食道憩室(Zenker憩室),(2) 中部食道憩室(Rokitansky憩室),(3) 横隔膜上憩室である.
(1) は咽頭と食道境界の筋層間隙から嚥下時の内圧上昇に伴い圧出性に生ずる“仮性憩室”である(Fig. 1).高齢男性に多く,主に左側に多くみられる.憩室入口部は細く囊状を呈する.その頻度は約10%とされる2).
(1) は咽頭と食道境界の筋層間隙から嚥下時の内圧上昇に伴い圧出性に生ずる“仮性憩室”である(Fig. 1).高齢男性に多く,主に左側に多くみられる.憩室入口部は細く囊状を呈する.その頻度は約10%とされる2).
参考文献
1)井手博子,押淵英晃,杉山明徳,他.食道憩室の病態と治療.カラントテラピー 3 : 669-675, 1985
2)中村努,井手博子.食道憩室.臨消内科 15 : 749-755, 2000
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