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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔咽頭・食道〕
食道web(esophageal web)
著者: 柴田知行1 平田一郎1
所属機関: 1藤田保健衛生大学消化管内科
ページ範囲:P.740 - P.740
文献購入ページに移動成因としては,先天性のものや,逆流性食道炎・そのほかの食道炎などの炎症によるもののほか,外傷などが考えられている.web保有者では食道癌の罹患率が高いとの報告もあり,注意を要する.比較的まれであるが類似の所見として鑑別すべき疾患として,平滑筋腫,神経腫,過誤腫,血管異常,悪性腫瘍などが挙げられる.webの存在は食道X線造影検査や上部内視鏡検査で容易に診断される.X線造影では食道内腔の膜様の突出にて認識される.膜様狭窄は必ずしも全周性ではなく,偏側性であったり複数の狭窄が連続することもある.食道webの治療は内視鏡的なwebに対するバルーン拡張やブジー,web切除が有効である.Plummer-Vinson症候群の場合は鉄剤の補給,栄養状態の総合的な改善などの治療により消失することも多いとされている(Fig. 1b).
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