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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔胃〕

hamartomatous inverted polyp

著者: 横澤秀一1 赤松泰次2

所属機関: 1信州大学医学部内科学第二講座 2地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立病院内視鏡センター

ページ範囲:P.751 - P.751

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 HIP(hamartomatous inverted polyp)は粘膜下に異所性に腺管の増生を認め,胃内腔に膨張性に発育してポリープ状の形態を示す病変である.hamartoma(過誤腫)とはその構成成分が存在する臓器や組織の成分として元来存在するもので,その組織成分の量的組み合わせの不均衡により,特定の成分が過剰形成されて腫瘍の形態をとるものと定義されている1).1966年にAllen2)が直腸において,異所性腺管が粘膜下へ逆行性,囊胞状に発育し,腸管内へ突出する形態をとる病変をHIPと報告し,胃でも同様の表現が用いられている.

 HIPは胃体上部や穹窿部などの胃底腺領域に好発し,病変は粘膜下異所性胃腺の増生,貯留,囊胞化により,比較的大きな孤立性腫瘤を形成する.本症には様々な呼称があり,医学中央雑誌にて1995年以降で検索した範囲ではhamartomatous inverted polypのほかに過誤腫,胃粘膜下異所腺,submucosal heterotopia of gastric glands,submucosal heterotopic gastric glands,gastric gland heterotopia,gastric submucosal heterotopiaなどの名称で報告されている.

参考文献

1)今井環.腫瘍総論.今井環,田中健蔵,遠城寺宗知(編).病理学,3版.医学書院,280-281,1977
2)Allen Ms Jr. Hamartomatous inverted polyps of the rectum. Cancer 19 : 257-265, 1966
3)Aoki M, Yoshida M, Saikawa Y, et al. Diagnosis and Treatment of a Gastric Hamartomatous Inverted Polyp : Report of a Case. Surg Today 34 : 532-536, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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