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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔胃〕

NSAIDs起因性胃潰瘍(NSAIDs-induced gastric ulcer)

著者: 溝上裕士1 岩本淳一2

所属機関: 1筑波大学附属病院光学医療診療部 2東京医科大学茨城医療センター消化器内科

ページ範囲:P.754 - P.754

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 この用語について,正式な定義はない.一般的には,非ステロイド抗炎症薬(nonsteroidal antiinflammatory drug;NSAID)の投与が原因で発生した胃潰瘍とされている.NSAIDs起因性の胃腸傷害は1970年頃から欧米を中心に報告がなされ,1980年代からは本邦でも注目を集めるようになった.H. pylori感染率の低下と高齢化により,NSAIDs潰瘍がクローズアップされており,近年は抗血小板薬として用いられている,低用量アスピリン(low-dose aspirin;LDA)による潰瘍が増加している.

 非アスピリンNSAIDとLDAによる傷害は,区別して論じられることが多い.非アスピリンNSAIDとLDAを総称し“NSAIDs”,非アスピリンNSAIDのみを“NSAID”と称することもある.

参考文献

1)溝上裕士,白石貴久,大坪十四哉,他.NSAIDs長期投与慢性関節リウマチ患者における胃潰瘍についての臨床的検討.臨リウマチ 10 : 130-141, 1998
2)中村孝司,屋嘉比康治,黒沢進,他.NSAID胃粘膜傷害の臨床.臨消内科 14 : 403-412, 1999
3)Iwamoto J, Mizokami Y, Shimokobe K, et al. Clinical features of gastroduodenal ulcer in Japanese patients taking low-dose aspirin. Dig Dis Sci 55 : 2270-2274, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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