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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔胃〕

特殊型胃炎(granulomatous gastritis)

著者: 小林広幸1 渕上忠彦2

所属機関: 1福岡山王病院消化器内科 2松山赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.758 - P.758

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 特殊型胃炎という明確な定義はないが,Crohn病に代表される肉芽腫を生じるような胃炎を指して用いられることが多い.胃に肉芽腫性病変を認めた場合,Crohn病を含めた胃梅毒,胃結核,サルコイドーシスなどのまれな疾患を考慮して鑑別診断を行うことが必要である.これらの疾患では胃に不整な潰瘍・びらんを主体とする粘膜病変を生じることが多い.

 胃梅毒ではしばしば心窩部痛を伴い,病変は幽門前庭部に好発し,X線像では同部の全周性漏斗状狭窄,内視鏡では易出血性の浅い不整形の多発潰瘍やびらんを呈し,時に副病変として胃体部に梅毒性皮疹類似の粘膜病変を伴うなど,X線・内視鏡の特徴的所見から診断可能なことが多い(Fig. 1, 2).ただし,これらの病変は肉芽腫を伴わない早期(第2期)梅毒の胃病変であり,今日本邦では肉芽腫を形成するほど進行した梅毒(第3期)の胃病変に遭遇する機会はほとんどない.

参考文献

1)小林広幸,渕上忠彦,堺勇二,他.Helicobacter pyloriに起因しないとされる胃粘膜病変の形態─Crohn病以外の肉芽腫性病変.胃と腸 41 : 1061-1066, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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