文献詳細
特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔腸〕
Lynch症候群,遺伝性非ポリポーシス大腸癌(Lynch syndrome,hereditary nonpolyposis colorectal cancer;HNPCC)
著者: 松本主之1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
ページ範囲:P.767 - P.767
文献概要
本症の歴史は約50年にすぎないが,その間に疾患概念や名称に変遷がみられている.Lynchら1)の報告以降,家系内に大腸癌のみ集積するLynch症候群Iと大腸癌以外の悪性腫瘍も集積するLynch症候群IIに大別され,これらを区別しない場合は遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary nonpolyposis colorectal cancer;HNPCC)と呼ばれていた.1990年にはHNPCCとして確からしい家系を集積するための基準が提唱されたものの,1993年以降原因遺伝子が次々に同定されるに至り,同基準と遺伝子診断に乖離があることが判明した.そこで,1998年に改訂基準(アムステルダム基準II)が提唱された(Table 1)2).大腸以外の多彩な悪性腫瘍が本症の特徴のひとつであることから,現時点ではHNPCCを避け,Lynch症候群の名称を用いることが多い.
参考文献
掲載誌情報