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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔腸〕
虚血性大腸炎(ischemic colitis)
著者: 大川清孝1 宮野正人1
所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科
ページ範囲:P.776 - P.776
文献購入ページに移動下行結腸,S状結腸に好発し区域性病変を示し,中心部が最も強い所見を呈する.典型的な急性期の内視鏡像は縦走する白苔と周囲の発赤である(Fig. 1)2).白苔は盛り上がり,偽膜様であるが,多くはびらんであり短期間に軽快することがほとんどである.組織では粘膜上皮の変性,脱落,壊死がみられ,腺管の立ち枯れ像は虚血性大腸炎の特徴的な像である.発赤は白い線で区画され,うろこ模様と呼ばれるが,本症に特徴的な所見である.組織では間質の浮腫と粘膜内出血であり腺管の変化はみられない.暗赤色の粘膜が認められる場合は(Fig. 2),組織学的には出血壊死であり,虚血の程度は重篤で狭窄型や壊死型の可能性があり,慎重な対応が必要である.慢性期では狭窄型の場合は管状狭窄や縦走潰瘍瘢痕を呈する.
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