文献詳細
特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔腸〕
直腸粘膜脱症候群(mucosal prolapse syndrome of the rectum;MPS)
著者: 斉藤裕輔1
所属機関: 1市立旭川病院消化器病センター
ページ範囲:P.779 - P.779
文献概要
肉眼分類として (1) 平坦型,(2) 隆起型,(3) 潰瘍型(Fig. 1),深在囊胞性大腸炎型,が一般的である2).隆起型は直腸下部~肛門管に近い部位に発生し,腫瘍性ポリープとの鑑別が重要である.潰瘍型は隆起型に比べて,より口側の直腸で中Houston弁の前壁側に好発する.主体の病変は潰瘍であるが,その辺縁には周堤様の隆起や粘膜下腫瘍様の所見を伴うことが多く,進行癌や悪性の粘膜下腫瘍との鑑別が重要である.生検組織では粘膜脱による慢性刺激の結果として生じたと考えられる線維筋症(fibromuscular obliteration)が特徴的所見として認められる.
参考文献
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