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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔腸〕
虚血性小腸炎(ischemic enteritis)
著者: 森山智彦1 松本主之1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
ページ範囲:P.786 - P.786
文献購入ページに移動腹痛,嘔吐で発症することが多く下血や血便はまれである.ただし,症状は罹患範囲や虚血の程度,側副血行路とも関連する1)3).発症直後には腸管浮腫による拇指圧痕像と皺襞肥大を認める.一方,治癒期の病態は虚血性大腸炎と同様に一過性型と狭窄型に大別されるが,小腸では狭窄型が圧倒的に多く通過障害を来す.狭窄型の病理学的特徴としては求心性の狭窄,境界明瞭な全周性区域性潰瘍,腸管の壁肥厚などが挙げられ4),X線・内視鏡検査では,全周性潰瘍による管状狭窄,口側腸管の拡張,凹凸不整な顆粒状粘膜などがみられる(Fig. 1, 2).
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