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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔腸〕
特発性腸間膜静脈硬化症(idiopathic mesenteric phlebosclerosis)
著者: 岩下明德1 池田圭祐1
所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部
ページ範囲:P.791 - P.791
文献購入ページに移動筆者らが経験した本疾患17例3)と文献的に収集しえた本疾患50症例,計67症例の患者の年齢は平均61(28~86)歳で男女比は30 : 37である.発症は緩徐で,症状は腹痛,下痢,便秘,腹部膨満などが主であり,下血・血便は少ない.罹患部位は回腸末端部から直腸に及ぶが,病変の程度は右半結腸,特に盲腸・上行結腸でより強い.本疾患の臨床画像的特徴としては,腹部単純X線検査では右側腹部に線状石灰化像を認め,腹部CTでは大腸壁の肥厚,および腸管壁ないし腸間膜に一致した石灰化像がみられる.注腸X線検査では壁硬化や不整,管腔狭小,拇指圧痕像や粘膜の浮腫状変化などの所見を呈し,大腸内視鏡検査では粘膜に暗青~赤色あるいは褐色などの色調変化がみられ,浮腫や狭窄,びらん・潰瘍,血管透見像の消失などを伴う(Fig. 1).
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