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特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔腸〕
サイトメガロウイルス感染性腸炎(cytomegalovirus enterocolitis)
著者: 青柳邦彦1 冨岡禎隆1
所属機関: 1福岡大学病院消化器内科
ページ範囲:P.798 - P.798
文献購入ページに移動その病態は,腸病変に伴い,下痢,腹痛など非特異的な腹部症状を呈する.肝炎,網膜炎,間質性肺炎,亜急性脳炎などの合併症を有することがある.内視鏡所見は,地図状あるいは打ち抜き様潰瘍が特徴的であるが,発赤,縦走潰瘍,アフタ様びらんなどもみられる(Fig. 1, 2).血管内皮細胞への感染により血管内皮の膨化,虚血,そして潰瘍に至ると考えられている.本症を疑った場合,内視鏡下生検で病変部(特に潰瘍底)から組織を採取し,病理学的に核内封入体や巨細胞を確認できれば診断される.さらに,モノクローナル抗体による免疫染色,抗原血症,血清抗体を併用すると感染診断率が向上する.なお,血液中でのみ抗原や抗体が確認されたCMV感染と,局所感染が確認されたCMV腸炎との判別を常に念頭に置く必要がある.
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