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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔腸〕

尖圭コンジローマ(condyloma acuminatum)

著者: 入口陽介1 大野康寛2

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科 2国立がん研究センター東病院消化器内科

ページ範囲:P.801 - P.801

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 尖圭コンジローマは,HPV(human papilloma virus)の直接感染によって男女の外性器に好発する良性疾患(ウイルス性疣贅)である.主として,性交渉やその関連行為により感染し,感染後,肉眼で観察される大きさになるまで3週間から8か月程度を要する.若年者に多く,男性では陰茎,女性では外陰部が好発部位であるが,時に尿道や肛門に発生し,特に同性愛者では肛門周囲の病変が増加していることが指摘されている.しかし肛門性交歴がない場合にも,肛門尖圭コンジローマが発症したとする症例報告があり,サウナや公衆浴場などからの感染が推測されている.

 肛門尖圭コンジローマの肉眼形態は,透明感のある白色調の数mm大から1cmを超える疣状の隆起が多発し,さらに集簇・融合して,乳頭状,時には鶏冠状の隆起を呈し,肛門管移行帯を中心に正常粘膜を介して不連続に直腸粘膜に拡がることがあると報告されている(Fig. 1a).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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