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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔全消化管〕

若年性ポリポーシス(juvenile polyposis)

著者: 菅智明1 赤松泰次2

所属機関: 1信州大学医学部内科学第二講座 2地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立病院内視鏡センター

ページ範囲:P.808 - P.808

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 若年性ポリポーシスは1964年にMcCollら1)が,大腸に若年性ポリープが多発する疾患として最初に報告した.その後,胃・小腸・大腸に病変が存在する胃腸管若年性ポリポーシスや,胃病変のみを認める胃限局性若年性ポリポーシスも報告されている2).孤発性,あるいは常染色体優性遺伝を示す家族性の症例が報告されており,原因遺伝子としては,SMAD4やPTEN遺伝子などが知られている.

 ポリープは発赤調で軟らかく,粘液が付着していることが多い.数mm~数cm大のものが数個~100個程度存在し,無茎性から有茎性まで形態は様々である(Fig. 1, 2).生検では過形成ポリープと診断されることが多いため,診断的に内視鏡的粘膜切除術を行うことが有用である.周辺介在粘膜がほぼ正常に保たれていることも確認できれば,Cronkhite-Canada症候群との鑑別にも有用である3)

参考文献

1)McColl I, Busxey HJ, Veale AM, et al. Juvenile polyposis coli. Proc R Soc Med 57 : 896-897, 1964
2)小澤俊文,和知栄子,山下直行.早期胃癌とMenetrier病を合併し,家系内発症した胃限局型若年性ポリポーシスの1例.日消誌 107 : 1641-1650, 2010
3)菅智明,赤松泰次,中村直,他.自然消褪した若年性ポリポーシスの1例.胃と腸 36 : 1307-1314, 2001
4)Howe JR, Mitros FA, Summers RW. The risk of gastrointestinal carcinoma in familial juvenile polyposis. Ann Surg Oncol 5 : 751-756,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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