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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 疾患〔全消化管〕

アミロイドーシス(amyloidosis)

著者: 浅野光一1 松本主之1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学

ページ範囲:P.816 - P.817

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 アミロイドーシスとは,不溶性のアミロイド蛋白が全身または局所組織に沈着し,臓器障害を来す疾患である.臨床像はアミロイド蛋白の種類や沈着部位により異なる.消化管で頻度が高いのは,免疫グロブリンを前駆体としたAL型アミロイドと感染や炎症で惹起される急性期蛋白のSAA(serum amyloid A protein)を前駆体としたAA型であり,後者は続発性アミロイドーシスと呼ばれる.一方,前者は基礎疾患のない原発性アミロイドーシスと多発性骨髄腫に多い.そのほか,慢性腎不全関連のA2M型,およびトランスサイレチン由来のATTR型が沈着することもある1)

 消化管の好発部位は十二指腸と小腸である.AL型アミロイド蛋白は血管壁を中心とした粘膜下層と固有筋層への塊状の沈着が特徴であり,X線・内視鏡検査では粘膜下腫瘤様隆起と皺襞肥厚像として観察される(Fig. 1).固有筋層への沈着が高度になると消化管運動機能障害を来し,慢性偽性腸閉塞を呈する.

参考文献

1)多田修治,飯田三雄.原発性,続発性アミロイドーシス.胃と腸 38 : 611-618, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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