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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 病理

腫瘍の形質発現(phenotypic expression of gastrointestinal neoplasia)

著者: 松原亜季子1 九嶋亮治1

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院病理科

ページ範囲:P.831 - P.831

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 腫瘍は発生母地の形態を模倣し,胃と腸の上皮性腫瘍はそれぞれ胃型,腸型の形質を発現するのが基本である.しかし,慢性炎症を背景として,胃に腸上皮化生,腸に胃上皮化生(幽門腺化生)が生じるように,消化管腫瘍は胃型,腸型あるいはそれらの混合型の形質を発現する(Fig. 1, 2).

 胃癌の場合,印環細胞癌を代表とする未分化型癌が胃型,分化型癌は腸型と考えられてきたが,分化型癌でも胃型形質を発現する症例が少なくないこと,胃型形質の癌はその進展に従って腸型形質を発現するようになることが示されてきた.胃腺腫では,褪色調で丈の低い平坦隆起を示す一般的な病変が腸型(特に小腸型)形質を示すことがわかり,胃型(幽門腺型)腺腫の存在も明らかにされた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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