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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 病理

粘膜下浸潤と垂直浸潤距離の計測

著者: 味岡洋一1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野

ページ範囲:P.832 - P.832

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 内視鏡的に切除された消化管SM癌では,その粘膜下浸潤の程度が垂直浸潤距離により分類され,内視鏡的切除による根治判定およびリンパ節郭清を伴う追加外科切除の適応判定のための病理組織学的因子のひとつとして用いられている.

 食道,胃,大腸それぞれで,分類のための基準値とその意義付けは異なる1)~3).食道扁平上皮癌1)では垂直浸潤距離200μm未満をSM1,以上をSM2に,胃癌2)では500μm未満をSM1,以上をSM2に分類している.大腸癌3)ではSM1,2の標記はなく,1,000μm未満か以上かに分類している.食道扁平上皮癌ではSM1であっても内視鏡的治療で根治は期待できず,SM2以深では進行癌に準じた治療が必要とされる.胃癌では,3cm以下の分化型SM1癌は内視鏡的治療による適応拡大治癒とされている.大腸癌では,乳頭腺癌・管状腺癌で脈管侵襲陰性,簇出G1の場合は,SM垂直浸潤距離1,000μm未満で内視鏡的治療による根治が期待される.

参考文献

1)日本食道学会(編).食道癌診断・治療ガイドライン2007年4月版.金原出版,2007
2)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,医師用,2010年10月改訂,第3版.金原出版,2010
3)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン,医師用,2010年版.金原出版,2010
4)味岡洋一,田中信治.大腸SM癌内視鏡切除標本のSM浸潤度判定の実際と問題点─大腸癌研究会プロジェクト研究から.胃と腸 42 : 1501-1509, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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