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文献詳細

雑誌文献

胃と腸47巻5号

2012年05月発行

文献概要

特集 図説 胃と腸用語集2012 分類・定義

pit pattern 診断

著者: 山野泰穂1

所属機関: 1秋田赤十字病院消化器病センター

ページ範囲:P.863 - P.864

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 pit patternとは大腸表面にある上皮腺管開口部(pit)の集まりをひとつのパターンとして認識したものであるが,実際には腺管開口部ばかりではないこともある.したがって正しくは“表面微細構造”と表現するのがよいのであろうが,これらもすべて含めて“pit pattern”という言葉で総称している.

 pit pattern診断の礎は小坂1)による切除後の固定標本に対する実体顕微鏡観察に始まり,病変により表面構造パターンが異なることが示された2)3).これらの知見をもとに生体内での拡大観察の試みがなされ,1993年にzoom式拡大内視鏡CF-200Z(オリンパス社製)の出現により生体内でも観察することが可能となった.

参考文献

1)小坂知一郎.大腸微小隆起性病変に関する臨床病理学的研究.日本大腸肛門病会誌 28 : 218-228, 1975
2)多田正大,川井啓市,赤坂裕三,他.大腸隆起性病変の拡大観察とその病態.胃と腸 13 : 625-636, 1978
3)西澤護,佐藤文生,江藤和美,他.実体顕微鏡および臨床からみた早期大腸癌の発生・発育・進展.胃と腸 20 : 831-841, 1985
4)工藤進英,三浦宏二,高野征雄,他.微小大腸癌の診断─実体顕微鏡所見を含めて.胃と腸 25 : 801-812, 1990
5)工藤進英,日下尚志,中島孝司,他.陥凹型早期大腸癌の微細表面構造─拡大電子スコープ,実体顕微鏡の腺口形態の解析より.胃と腸 27 : 963-975, 1992
6)工藤進英.早期大腸癌─平坦・陥凹型へのアプローチ.医学書院,1993
7)Kudo S, Hirota S, Nakajima T, et al. Colorectal tumours and pit pattern. J Clin Pathol 47 : 880-885, 1994
8)山野泰穂,工藤進英.pit pattern─拡大内視鏡と実体顕微鏡の整合性.早期大腸癌 2 : 255-259, 1998
9)田中信治.V型pit pattern診断の実際─臨床からのまとめ.胃と腸 41 : 1833-1839, 2006
10)山野泰穂.拡大内視鏡観察よるpit pattern診断.大腸癌FRONTIER 220-227, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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