文献詳細
文献概要
特集 図説 胃と腸用語集2012 分類・定義
Lanza score
著者: 三宅一昌1 坂本長逸1
所属機関: 1日本医科大学消化器内科
ページ範囲:P.866 - P.866
文献購入ページに移動 Lanza score(Table 1)は,1971年,米国ベイラー大学のLanzaら1)により,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs;NSAIDs)による内視鏡的粘膜傷害の程度を等級化するために作成された.しかしながら,submucosal bleeding,area,edemaなどの定義がわかりにくく,1990年,本邦における臨床の現状に合わせるために,小林絢三および水島裕2)が共同して,modified Lanza score(Table 2)を作成した.
同scoreでは,用語がわかりやすく,概ね円滑に分類でき,現在,NSAIDsによる粘膜傷害を評価するために広く使用されている.Fig. 1に,典型的な胃びらん(Fig. 1a),出血(Fig. 1b)および胃潰瘍(Fig. 1c)の内視鏡像を提示した.長期NSAIDs服用者では,びらん・出血のような粘膜病変は案外少ないが,NSAIDs短期服用者またはアスピリン服用者における粘膜傷害の評価に有用性が高いと思われる.
同scoreでは,用語がわかりやすく,概ね円滑に分類でき,現在,NSAIDsによる粘膜傷害を評価するために広く使用されている.Fig. 1に,典型的な胃びらん(Fig. 1a),出血(Fig. 1b)および胃潰瘍(Fig. 1c)の内視鏡像を提示した.長期NSAIDs服用者では,びらん・出血のような粘膜病変は案外少ないが,NSAIDs短期服用者またはアスピリン服用者における粘膜傷害の評価に有用性が高いと思われる.
参考文献
1)Lanza F, Royer G, Nelson R. An endoscopic evaluation of the effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs on the gastric mucosa. Gastrointest Endosc 21 : 103-105, 1975
2)小林絢三,水島裕,柳川明,他.非ステロイド性抗炎症剤による胃・十二指腸病変に対するH2受容体拮抗剤ranitidineの予防効果.臨成人病 20 : 253-264, 1990
掲載誌情報