文献詳細
特集 図説 胃と腸用語集2012
治療
腫瘍の分子標的薬(molecular targeted therapy of the tumor)
著者: 落合淳志1
所属機関: 1国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理部
ページ範囲:P.874 - P.874
文献概要
現在までに消化器腫瘍にかかわらず様々な“癌”において分子標的薬が実臨床に用いられている1).Table 1に現在認可されている消化管悪性腫瘍における分子標的薬と,分子標的薬対象症例の選択法を示す.消化管悪性腫瘍に関する分子標的薬としては,GIST(gastrointestinal stromal tumor)が,チロシンキナーゼ受容体であるc-kit遺伝子変異により発生することが明らかになり,このc-kitに対する阻害薬であるグリベックが分子標的薬として使用されてきた.現在では,大腸癌に対してはEGFR(epidermal growth factor receptor)2)や腫瘍血管新生阻害薬〔抗VEGF(vascular endothelial growth factor)抗体〕などが用いられており,胃癌で高発現するc-erbB2(HER2)に対する治療抗体が使われており,分子標的薬は消化器悪性腫瘍の必須の治療薬となってきている.
参考文献
掲載誌情報